2012年8月11日土曜日

外貨建財務諸表項目まとめ

海外に支店や子会社を置いている場合、決算時には為替相場に従って円換算する必要があります。為替相場と言っても細かく分ければ色々見方があり、例えばトレードをする人であれば直近1ヶ月の平均為替相場なんてのも気にして見ているものです。もちろん簿記1級でそこまで細かく知る必要はありません。大事なのは3つです。決算時相場(CR:Current Rate)、発生時相場(HR:Historical Rate)、期中平均相場(AR:Average Rate) この3つの相場を使って、海外支店、海外子会社の財務諸表を円換算するのです。

簿記1級では、「在外支店の財務諸表項目」および「在外子会社等の財務諸表項目」が試験の対象となっています。この二つの違いを見比べることで、理解を深め、記憶を定着させることが試験対策の近道だと思います。

①換算方法のおおまかな考え方

在外支店の換算方法は「本国主義」、在外子会社の換算方法は「現地主義」という風に表現されています。本国主義というのは、日本本社の基準に整合性を合わせるようにすること。それに対して現地主義では、海外での独立した会計が尊重されるのです。

②貸借対照表の違い

貸借対照表で使うのは、CRかHRのいずれかです。ARは使いません。そして基本的にはCRを使って換算するので、逆にどこに対してHRを使うのかを把握していれば良いことになります。なので以下はHRの部分について見ていきます。

まず共通する部分として、在外支店の「本店」勘定、在外子会社の「資本金」勘定。これらはHRで換算します。親会社の持つ資本にダイレクトに入ってくるものなので、日々の為替変動に影響されると余計な混乱を生んでしまうのでしょう。

逆に建物や備品の扱いでは、在外支店と在外子会社に違いが現れます。在外支店の場合は本国主義、要するに支店で購入した備品なども本店が購入したものとみなされるので、最初の購入価格を簿価とします。なので為替変動に左右されないHRを使って換算しなければなりません。それに対して在外子会社は現地主義。在外子会社が購入した備品は本社から切り離して考えるので、CRを使って換算することになります。その際に発生する減価償却累計額も同様です。

棚卸資産については注意して見なければなりません。在外子会社であれば単純にCRを使って換算すればOKです。しかし在外支店の場合、低価基準によってCRかHRのいずれを使うかを決めることになります。具体的には、「原価(簿価)×HR」と「時価×CR」のどちらか価額の低い方を選ぶという手順になります。また「時価×CR」の方が低い場合は、 「原価(簿価)×HR」-「時価×CR」で評価損を計上しなければなりません。

③損益計算書の違い

在外子会社の損益計算書は、ARまたはCRのどちらを使っても構いません。原則はARで、CRは容認されています。在外子会社の損益計算書で唯一気を付けなければならないのが、親会社への売上(仕入)です。ここに関しては連結の絡みもあり、HR(親会社が換算に用いる為替相場)を使わなければなりません。

それに対して在外支店の損益計算書は、基本的に全てHRで換算します。「その他の収益および費用」勘定についてのみ、ARを使うことが例外的に認められています。また商品評価損はそのまま換算するのではなく、貸借対照表のところで計算した数値( 「原価(簿価)×HR」-「時価×CR」)を利用するところにも注意です。

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