2012年9月27日木曜日

114日目:工事損失引当金

企業会計原則注解

注18 引当金について

(貸借対照表原則四の(一)のDの一項、(二)のAの三項及びBの二項)

 将来の特定の費用又は損失であって、その発生が当期以前の事象に起因し、発生の可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積ることができる場合には、当期の負担に属する金額を当期の費用又は損失として引当金に繰入れ、当該引当金の残高を貸借対照表の負債の部又は資産の部に記載するものとする。 製品保証引当金、売上割戻引当金、返品調整引当金、賞与引当金、工事補償引当金、退職給与引当金、修繕引当金、特別修繕引当金、債務保証損失引当金、損害補償損失引当金、貸倒引当金等がこれに該当する。

 発生の可能性の低い偶発事象に係る費用又は損失については、引当金を計上することはできない。


要するに引当金というのは、発生が予想される損失に対して事前に準備しておきましょうということです。そしてその真の意図は、「費用収益対応の原則」に沿うものと思われます。将来的に実現すると見越しているのはまさに今この時点。だから今のうちに引当金として負債計上しておくことが、財務会計上望ましいんじゃないかな、という話なのですね。

家を建てたり道路工事したりする際に、将来発生することが見込まれる損失をカバーするのが工事損失引当金です。例えば、1億円で受注して3年で完成予定の家があったとします。そして当初9000万円の支出で完成させる予定だったとします。ところが2年目の時点で最終的に1億1000万円はかかってしまうことが判明しました。引当金も何も用意しなければ3年目に1000万円の損失です。まあ、黙ってれば最後までは分かりませんよねって話です。

そう。引当金はなんだかんだで会社の考え方次第。ここで会社側にとって悩ましいのは、果たして投資家側は引当金の計上をどのように受け止めてくれるかという点です。損失を早めに知らせることで信頼を得られるのか。それとも引当金が経営悪化のシグナルになってしまうのか。工事損失引当金の計上は必須ですが、損失の見積もり自体が難しいので、ある程度ごまかしがきくんじゃないかという気がします。

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