2012年9月30日日曜日

退職給付会計をスッキリ理解しよう

退職給付会計は教科書を読んでいて、理解しにくいなと感じた分野の一つです。思ったのが、教科書だと問題に解答する部分しか解説していないから全体が把握しにくくなっているんじゃないかということ。なので簡単な例を作って、全体を書き出してみました。

(例)10年間働いて、10年後に1万円の退職金をもらう。割引率(利子率)は5%とする。


最終的に欲しいのは10年後の1万円です。それを10年かけて積み立てていきます。例えば1年目の645円。これを5%で複利計算すれば、1,000円になります。黄色で塗りつぶした部分は全て同じ考えで計算しています。毎年、10年の時点で1,000円になる額を積み立てているわけです。この部分のことを勤務費用と言います。それ以外の、利子で増えている額の分は利息費用と言います。 例えば9年目にかかる勤務費用は952円、利息費用は363円です。

■年金資産

退職給付会計では年金資産という言葉が登場してきます。ここで言う年金資産とは、退職給付金として加えるために設定された運用資金のことです。上の9年目の例で言うと、必要な退職給付費用は勤務費用952円+利息費用363円=1,315円となります。そして年金資産から得た運用収益が100円だったなら、1,315円-100円=1,215円が最終的な退職給付費用となるのです。以下は5年目を例にしてみました。

年金資産時価とか新しく出た数値は、問題では情報が提供されると思います。内容の説明ですが、前期末年金資産時価と期待運用収益は上で述べた通り。退職給付費用の足しにするための資産ですね。続いて年金掛金拠出額ですが、これは年金運用のためにお金を積み立てるものです。そして年金支給額は実際に年金から退職給付のために出した額のことです。退職給付のために出したお金なので、年金資産と退職給付債務の両方から控除します。一時金支給額とあるのは、退職一時金を支払うという意味です。ここから貸借差額で算出される金額が、退職金として会社が用意しなければならないお金、つまり退職給付引当金となるわけです。

勤務費用784円+利息費用149円=903円が退職給付費用です。

■数理計算上の差異

物事は予定通りに行かないもの。最初に設定していた額と、現在の額とが違っているということがあります。それを数理計算上の差異と言います。上の例では退職給付引当金が2,500円になりましたが、計算しなおしたら2,800円(実際の当期末退職給付債務4,000円、実際の当期末年金資産時価1,200円)だったとします。そこで300円の差異が生まれているということです。この300円の扱いは問題文で指示があります。定額法(平均残存勤務年数5年で計算)で費用処理した場合、300円÷5年=60円を加算して、退職給付引当金2,560円、退職給付費用963円となります。

勘定ひとつひとつの目的をおさえておけば、けっこう簡単に理解出来るんじゃないかと思いました。

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