2013年12月16日月曜日

トレーディング目的で保有する棚卸資産に係る損益の表示についての考察

トレーディング目的で保有する棚卸資産は具体的に何かと言えばずばり金(Gold)でしょう。もちろん金でなくとも良いのですが、保有していて値上がりを見込める資産の代表が金なのです。このトレーディング目的で保有する棚卸資産については、会計基準で以下のように定められています。

「トレーディング目的で保有する棚卸資産の評価基準」
15. トレーディング目的で保有する棚卸資産については、市場価格に基づく価額をもって貸借対照表価額とし、帳簿価額との差額(評価差額)は、当期の損益として処理する。

16. トレーディング目的で保有する棚卸資産として分類するための留意点や保有目的の変更の処理は、「金融商品に係る会計基準」(以下「金融商品会計基準」という。)における売買目的有価証券に関する取扱いに準じる


「トレーディング目的で保有する棚卸資産に係る損益の表示」
19. トレーディング目的で保有する棚卸資産に係る損益は、原則として、純額で売上高に表示する。


ほかの人はこれをすんなり受け入れられるかもしれませんが、僕はどうしても「順額で売上高に表示する」という点が引っかかってしまいました。何故なら「売買目的有価証券に関する取扱いに準じる」とあるからです。売買目的有価証券は、その期の評価損益を計上しますが、これは営業外損益に載せます。どうしてトレーディング目的で保有する棚卸資産についても同じように、営業外損益に載せないのでしょう。そのへんのことを説明してくれるサイトも質問掲示板も見つからずに難儀しておりました。


【損益計算書の概要】

売上高    ←トレーディング目的で保有する棚卸資産の純額
売上原価   
----------
売上総利益
販売管理費
----------
営業利益
営業外損益   ←売買目的有価証券評価損益
----------
計上利益
(以下略)


この謎について彼女と延々議論し、たどり着いた答えが専担者売買商品という考え方でした。

専担者売買商品とは、法人が取得した金、銀、白金その他の資産のうち、市場における短期的な価格の変動又は市場間の価格差を利用して利益を得る目的(以下「短期売買目的」という。)で行う取引に専ら従事する者が短期売買目的でその取得の取引を行ったものをいう(令118の4一)。通常、短期売買目的で金銀等の売買を継続して行う法人は、これらの売買に精通した専門の担当者による専門部署により日常的にトレーディング業務が行われている。

要するに、 「トレーディング目的で保有する棚卸資産」というのが、そもそもそれを主な業務にするという前提があるわけです。(売買目的有価証券においてもそれを主業務とする場合には売上に計上するのだと思います) なのでたとえある会社が金をトレーディング目的で保有していたとしても、専業でなければ評価損益を売上に計上することはせず、帳簿価額そのままとするのです。

考察は以上です。もし考え違いや、誤りがあれば、是非ご指摘ください。

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